染織 いとをかし

糸を染め、着物や帯を織っています。染めや織りにまつわることや、日々のよしなしごとを綴ってまいります。

小楢

山茶花も咲き、道には落葉も増え、日に日に秋が深まりますね。

剪定したコナラとアラカシを頂き、コナラが細い枝先だったので(乾燥し始めていたので)先に染めました。

コナラもアラカシも、ブナ科コナラ属。アラカシは常緑樹でコナラは落葉樹です。

コナラの木材は、しいたけ栽培の原木、薪や炭材によく使われるそうです。

コナラを染めるのは初めて。

せっかくなので1・2・3…と、煮出した液を各々分けて染めてみました。

左から1・2・3の染液(コナラの葉っぱを置いてみました)

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同じく左から1~3煎目で染めた糸

媒染はおはぐろ(鉄媒染)

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1煎目の色がなんと表現したらよいのか…紫がかった不思議色。2・3煎目と徐々にグレーに。

この次くらいにはシルバーグレーになるな…と思い、後日4・5煎目を染めてみました。

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4・5煎目はほぼ見分けがつかないシルバーグレーに。

初めて染める染料は、なるべく煮出した回数(お料理で言うところの、一番出汁・二番出汁のようなものをご想像ください)を混ぜずに染めてみるようにしています。

そうすると、この染料は煮出すごとにどんな方向に行くのか…がなんとなく分かるので。それでも今回の色は「今年の」「この月に剪定した」「この場所で育った木の」色なので、あくまでも目安なのですけどね。育った場所でも違いますし、その年の天候によっても違うので、本当に出会いもの・一期一会だなぁ…と思います。

そして煮出している時の香り、色の変化など、小さな発見の積み重ねが草木染めの楽しさです。

どんな色かなぁ…と思いながら染めるのは、本当に楽しいものです。ふふふ。

次こそはアラカシを染めるっ!

しばらく秋の染めシリーズ(しかもグレー系ばかりの!)になりそうです(笑)