染織 いとをかし

糸を染め、着物や帯を織っています。染めや織りにまつわることや、日々のよしなしごとを綴ってまいります。

臭木

空が高く、夜が長くなりましたね。


秋は藍のほかに青色が染まる、貴重な染料である臭木(クサギ)の季節です。

住んでいる近所を探していて、なかなか巡り会えなかったのですが…先日お墓参りに行った時に発見。

去年も同じ時期・同じ場所を通ったはずなのに気づけなかった…ただ終わりかけだったので採取できず。

来年は採りに行くぞー、と思っていたところお宝を頂きました。

(Tさま、誠に感謝・感謝です!)

私はまだ冷凍庫に隠し財産?で持っていたので、染織教室で欲しい皆さんにお裾分け。喜んで持ち帰ってくださいました。

せっかくなので手元に残った熟しきれていない実と、ガクを染めました。

実は熟すとラピスラズリのような深い色になりますが、今回は未熟でまだ緑色や白っぽいモノを煮出してみました。

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こんな感じの淡い色の実↑

ガクは1・2・3煎をそれぞれ鉄媒染しました。

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左から1・2・3の染液で、上の赤いモノがガクです。

実は優しい水色、ガクの1煎目はシルバーグレー、2・3煎目は少し緑みを感じる綺麗なグレーに染まりました。

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手前から実・ガクの1・2・3です。

赤いガクからこんなに美しいグレーが染まるのは、いつ見ても不思議です。

剪定したアラカシも頂いたので早めに染めたいと思っています。

秋の贈り物にワクワクです。