染織 いとをかし

糸を染め、着物や帯を織っています。染めや織りにまつわることや、日々のよしなしごとを綴ってまいります。

弥生

沈丁花のよい香が漂いはじめ、白木蓮の蕾もふっくらしてきましたね。

 

さて今週は京都での展示会があります。

第6回 日本茜伝承プロジェクト展示会

知恩院 和順会館

3月8〜12日

 

有難くもお声がけ頂き、今年も参加させていただきます。

地入れでシャキッとして戻ってきました出展する帯。全て美山の日本茜で染めました。久々のロートン織り。自分史上最高に糸が浮いております。

もう一点はアラカシとクサギのガクの様々なグレーと、ほのかに入るクサギの実で染めたブルーでの縞の着尺。

写真だと3色くらいのグレーの縞に見えますが‥一応グレー8色にブルーなのです。ま、ほぼグレーですが。市松の地紋に見える織りかたです。

10日・12日のお昼過ぎからは会場に居る予定です。

伝統工芸の部でのご参加が増え、色々な作品を拝見できるのを楽しみにしています。

お近くの方がいらっしゃいましたら、どうぞ足をお運び下さいませ。

 

春一番は早々に吹きましたが、まだ寒い日も多いですね。

不安定な陽気です。皆さまお身体お大切にお過ごし下さいませ。

謹賀新年

新年から能登半島での地震

被災された皆さまへ心よりお見舞い申しあげます。

まだ余震も続き、寒さも厳しく本当に不安な日々かと思います。1日も早く安心して過ごせますようお祈りします。

 

昨年織っていた帯は無事に年内に織り上がりました。別に納期はないものですが、自身で年内には織り上げる!と目標にしていたので守れて良かったです。

地入れ前なので、ちょっとシオシオしてますが‥シャキッとして帰って来るのを待ってます。久々のロートン織。楽しく織りました。

 

年末は伊達巻と栗きんとん係。

そしてアダム・ランバートに驚いたり、ブライアン・メイに見惚れたり(笑)しながら、糊入れしたり糸巻きしたり。

かなりギリギリな糸量だったので計って準備。

 

コナラとクサギのガクで染めた色(8色)とクサギのブルーをランダムな縞に。

 

糸に触れる年末年始を過ごし、こんな風に過ごせることは本当に幸せな事だな‥としみじみと感じました。

当たり前に思わず、感謝をして大切に過ごしていきたいと思います。

 

昨年お世話になりました皆さま、ありがとうございました。

新しい年が皆さまに良き年となりますように。

今年もよろしくお願いします。

師走

冷え込む日も増え、木々が色づいてきましたね。

今年もこの季節が!

干し柿は作るのも楽しく、食べるのも楽しみ♪

柿を干すだけでなく、ちゃんと?織りもしています。

細いウールの綺麗な段染めの糸を頂いたので、経糸を絹でストールを。

グリーン系

グレー系

巻くとこんな感じかな

ちょっと経密度が混み過ぎているように感じ、せっかくの緯糸の色が…あと2枚は少し荒くしてみます。

 

剪定したコナラを頂き染めました。

右から1煎・2煎・3煎の鉄媒染。

茶味がある色も良いし、茶味が抜けてきてのグレーも良い色です。

好きな色が染まると見ていてワクワクします。

 

そして日本茜で染めた糸で帯を織り始めました。

格子の幅やロートンの糸を浮かすパターンを考えながら、裏になる3尺を織り調整中。

そして機の左側。

ええと、杼が6丁ありまして…

まぁ、右側にも5丁ありまして…

無駄に杼が多いですが、久々のロートン織りは楽しいです。

来年も『日本茜伝承プロジェクト展示会』に参加させて頂きます。

来年のテーマは「茜さす日本の色」

会期は3月8〜12日 

知恩院 和順会館ギャラリー

公募で出展者も募っておられます。ご興味のある方は下記にお問合せを↓

一般社団法人日本茜伝承プロジェクト

mail: contact@nippon-akane.com

 

先ずは帯を織り、あとはストールも織れるかな?

 

気づけばカレンダーもあと1枚!

あっという間に師走…早いですねぇ。

寒くなってきましたので、お風邪ひかぬようお気をつけてお過ごし下さいね。

秋のお宝

日の入りが早くなりましたね。

17時には暗くなり、なんとなく気忙しい季節になりました。

 

夏前から織っていた着尺もようやく織上がり、次は久々にロートン織りので帯。

こんな糸を使います。

自分らしからぬ色合いですが…全て日本茜で染めました。緯糸はちょっと悩んでいて、試織りして決めようと思ってます。

 

織りの教室の生徒さんが入選なさった(MさんKさん、おめでとうございます!)東京都美術館(新匠工芸会展)と横浜シルク博物館(全国染織作品展)をハシゴで見に行き、色々と刺激をもらってまいりました。

氷川丸も久々。

海は良いですねぇ。

 

そして臭木の季節の到来!

今年もお声がけ頂き(Tさま感謝!)カメムシやクモと格闘?しながらワケワケ作業。

実は完熟のモノと未熟なモノも。

実を選別。

昨年、未熟なモノで染める実験をしたのですが、それはそれで得難い良い色。

青を染める藍以外の貴重な染料。

大切に使わせて頂きます。

 

1日の寒暖差も大きい季節の変わり目。

皆さま体調崩さぬようお気をつけて。

長月

今年の夏は厳しい暑さですね。

日中はまだまだ暑い日が続きますが、吹く風は秋を感じるようになってきました。

 

着尺は暑くて進みが遅く、ようやく半分。

織ったら見えるかな?と思った縞ですが、ボンヤリしてますね…

汗を落とさぬよう気をつけながら織ってます。

こんなストールの試し織りも。

生成りで織ったので、このあと染める予定です。

そして過日、組み紐を初体験しました。

色々な加減が難しいですが、とても楽しかったです。今度、房を整えるのを教わり完成予定です。ワクワク。

 

気になる展覧会があり、涼しくなったら…と思っていましたが、いっこうに涼しくならない!

エイヤッと、出かけてまいりました。

虫めづる日本の人々

サントリー美術館・9月18日まで

 

増山雪斎の『虫豸帖』

写真と見紛うほど精緻な絵で、今回は夏のみ展示でしたが四季の全部が見てみたかったなぁ。

伊藤若冲の『菜蟲譜

パンフレットにもなっていますが大人気でした。

展示の絵はどれも、虫はもちろん描かれている草花も美しかったです。

虫虫虫・蟹・虫虫・蝸牛…と、絵の中に潜んでいる姿を発見し、場内の虫の音に耳を傾けたり、モビールの虫をシルエットで楽しめたり…視覚聴覚ともに楽しんできました。

せっかく都会に出たのでもう一つ!

恋し、こがれたインドの染織

大倉集古館・10月22日まで

 

19世紀のカシミールで織られたショールが圧巻でした。

細い羊毛での綴織。1枚織るのに3年かかるというのも納得な繊細さ。

イギリスやフランスで銅板プリントを用いて作られた「倣カシミールショール」との違いも興味深いものでした。

大倉集古館はとても久しぶりに行きました。

アレ?地下なんてあったかしら??

と思ったら、改修工事をされたのですね。

その工事の様子の映像が流れていて、これがとても凄かったです!

曳家で6時間かけて6メートル移動させ、免震工事と地下室を増築した後、元の位置に移動。

うわ〜、と声が漏れてしまう映像でした。

色々と目の保養をして充実な1日でした。

 

今月もまだ暑さが続きそうですね。

暑さの疲れもたまる頃。皆さまどうぞお気をつけて。

大暑

少し早起きして蓮の花を見てきました。

今年は開花が早いようで、もう散ってしまっている花もありましたが見られて良かったです。

 

さて、網代の着尺はようやく織りあがり。

次の着尺

あれ?無地に見える…細い縞です。久々に繰り返しパターンの縞です。織るのが楽しみ。

 

あとは珍しく!?こんなモノを織ってみました。

ミニコースターです。

冷酒とか

 

小さいカワイイものとか

乗せると楽しいかな?と。ふふふ。

麻のストール3枚も仕上げました(1枚は写真を撮る前にプレゼントしてしまった!)

年末に頂いたクスノキもようやく試し染め。次の着尺はクスノキにしようかなぁ。

左から、樹皮の1番液・アルミ媒染、2番液・アルミ媒染、1番液・鉄媒染、2番液・鉄媒染

そして昔々、かぎ針で編んだストールの余り糸が出てきたので、ちょっと遊んでみました。

緯糸藍染めの木綿糸で、なるべく詰らないように。

綜絖通しから織り上りまで4時間位!

たまに太い糸で織るのも楽しいかも?

 

いつもはやらない手順で試している事がありますが…やはり慣れないからか?今一つうまく行かない。うーん。

着尺の構想も練りつつ、織る前の試行錯誤が続く日々。

 

暑い暑い毎日です。

体調崩さぬようお気をつけて。

小満

急に暑く夏日かと思えば、冷たい雨が降ったり…不安定な陽気ですね。

 

先日、友人がチケットを手配してくれて(Kさま感謝!)話題の展示会へ。

クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ

東京都現代美術館(5月28日まで)

ディオール本人の作品より、その後の後継したデザイナーの作品が多め。

1番好きだった頃の作品が少なかったのが、ちょっと残念でしたが、展示空間が素晴らしくとても楽しかったです。

部屋ごとにテーマを設けられていて、まるで舞台を見ているような凝った演出。

シーチングを使った仮縫いの展示が圧巻でした。

撮影OKなので動画撮影をする人が多数。

人の波にヘコタレた私は写真も撮らず「夢の」というタイトル通りの美しい空間を、ポカーンと眺めてました。

唯一撮ったのが、壁を飾るこのグラデーション。

ドレスじゃないんかいっ!(自己ツッコミしつつ)とても美しかったです。

 

時間があったので、東京ステーションギャラリーへ移動。

大阪の日本画展(6月11日まで)

着物の柄の、特に絞りの描写の繊細なこと!胡粉で描かれた柄はポッテリした質感。初めましての絵が多かったのですが、こちらも楽しく拝見。

 

織りもいちお?!進んでます!

グレー8色とブルー1色の縞も織り上がり検反。

次はこんな崩しを織り始めてます。

小さい柄なのでアッブで!

そして帯揚げの整理をしていたら、同じ色を数枚持っていたり、この色は使わないなぁ…というものがあったので、思いたって化学染料で染め重ねしてみました。

染める前を撮り忘れる痛恨のミス!

淡いピンク系のボカシやカラシ色など。

元の色を考慮して色を重ねて自作の着物に合いそうな色に。

せっかくなので、織り上がった反物に自作の帯を合わせパシャリ。

こんな感じ♪

なかなかの満足度で使うのが楽しみです。