染織 いとをかし

糸を染め、着物や帯を織っています。染めや織りにまつわることや、日々のよしなしごとを綴ってまいります。

小雪

赤や黄色に色づいた木々が美しい季節ですね。

カサコソと地面を舞う落ち葉を見ると踏まずにはいられず、ドングリを見れば拾わずにはいられず、道を歩くのが忙しい季節です(笑)

f:id:someori-m:20201123231637j:plain

一崩しの反物が織り上がり、検反(糸の始末やお掃除)して後は地入れに出すのみ。

どこからが傷で、どこまでが味なのか…節糸の味わいの範囲については、毎度の事ながら悩みます。

織っている時には「これは味!」と思っているのに、検反していると「ううむ、これは傷かも…」と思えてきて。

細い木綿糸の模紗織りのストールも3枚織り上がりました。

f:id:someori-m:20201123231738j:plain

これからフサをヨリヨリして仕上げ。

もっとフワッとクシュッと、ラフな感じにしたかったのですが、なんだかお行儀が良くなってしまう…

織ってる人間のガサツさが欲しいのに…にじみ出る繊細さ?いや、糸が綺麗なだけなのですけどね(笑)

着尺もストールも反省点が色々あり、もっと糸の持ち味を布に活かせるようにしたいなぁ…と思っています。

次の着尺は可愛らしい色のアジロの紬です。

使用するのは6色の経糸と2色の緯糸

f:id:someori-m:20201123232320j:plain

冬に向かう中、優しい色と向き合えるのが楽しみです。